『ドラコ様、着きましたよ。行きましょうか』

































予定していた時間より30分ほど早く家を出て
そして今、ダイアゴン横町に着いた。


私は家を出る前の出来事に、もう嬉しくて嬉しくて
今日はこれで十分ってくらいの幸せを味わえたのに
なんだかドラコ様は浮かない顔をしている。






おかしい。朝はあんなに準備が早くて、行くのを楽しみにしている様子だったのに。












どうしよう。
私の浮かれた顔を見て、引いてしまったんだろうか・・・。






『・・・・・あの、ドラコ様?どうしんですか、機嫌があまり良くないようで・・・・』




「・・・・・・・・・・・・お前・・・・・・いや、なんでもない」





一番気になる答え方だな。
とても気になる。





『わ、私って、関係・・・ありますか・・・・?』




おそるおそる一応自分でないかを確かめる。
そして最悪な返事が返ってきた。






「いや、原因はお前と言っても過言ではない」





『へ・・・・・・・』















ぇえ!?やっぱり、私のせいだったんだ・・・・・・・。ショック・・・・



なんとかしなくちゃ。でも、原因がわからないからどうしようもできない。
あぁ、聞くのはいいけど、応えが怖い。
お前が嫌いだから、とかもう倒れちゃうよ。あぁ、どうしよう。






頭を抱えて悩んでいると、哀れに思ったのか、呆れたのか、声をかけてくれた。






「おい」


『!?・・・・はい・・』


「・・・・・・・・・・・・・理由、・・・聞きたいか?」


『!!是非!!それでドラコ様の気が安らぐのでしたら、何とでも言って下さい!!!』





もう死にも狂いだった。

とにかくドラコ様に嫌われないよう、機嫌がとれるようにしなければいけない。
なんだなんだとドラコ様を見ていると、フイにドラコ様の顔に赤みがかかり
プイッとそっぽを向いてしまった。(軽くショックを受けた私)
手をぐうの形にして口に当て、なにやら考えながら、ちらりとこちらを見れば
溜息をはき、ゴホンと喉を鳴らした。






「その、だな・・・・・・・・・わかっているとは思うが、僕はプライベートでここへ来ている」


『はい』


「プライベート、と言っても、友達と遊びに来る、といった感じに、だ」


『・・・・はい』


「あー、その・・・・・・、もう気づかないか??」


『・・・・・・・えっ、あっあの、ごめんなさい、わかりませんでした』




の言葉を聞いて、むーーと、また悩み出すドラコ。
何度か唸りをあげながら悩んでいると、このままでは終わらないと気づいたドラコは、
意を決心したのか、恥ずかしそうに口を開いた。














「僕は今、君をメイドとしては見ていない」






『え・・・・・・・・・・・・』





真っ直ぐ、私の顔を見て言うドラコ様。
そんな中、私は動揺を隠せなかった。


















今ドラコ様は私をメイドとして見ていない。














これは、いい意味でとらえていいのか、悪い意味でとらえていいのかわからない。
今度は私が悩む番だった。


困っているを見て、しまった、言葉が足りなかった、と気づいたドラコは
、と名前を呼んだ。



『すみません・・・よく・・・・』



「いや、僕が悪かったよ。・・・・・・・・・・・・・・単刀直入に言う」



















ゴクリ。



そんな音が聞こえてきそうな空気の中、ドラコの声が響いた。
























「僕のことだが・・・・・ドラコ、でいい」















『・・・・・・・・・・・ドラコ・・・・?』













え?え?
ちょっとまってよ。私意外とそういうのわかるほうだよ。
ということは・・・・




















『呼び捨てって、ことですか?』



「〜〜〜!!そういうことだ。僕はそんな重苦しい呼び方は嫌いなんだ」



『・・・・・・・・ありがとうございます』




「っ////」













にこり、と笑顔でお礼を言えば、ドラコ様は顔を真っ赤に染めて、フンッと言いながら歩き出した。














ドラコ様。
いいえドラコ。
貴方はいつもそうやって、少しのことででも私を幸せにしてくれる。
ちっぽけなことでも幸せを感じることができるのは貴方だから。
貴方が側に居るだけで幸せ。それなのに、貴方はまだまだ物足りないの?








幸せに浸りながら、ドラコ様の後ろを歩いていると
急にドラコ様は立ち止まった。




『おっ・・・と危ない。どうしたんですか?えーっと・・・・・・ドラコ?』



するとドラコは、のほうへと向き直り、片手を差し出した。



『・・・・・・・・手?』



「ん。・・・・・・・・・・・・・握れよ」









握れって・・・・・・






『手を・・・・繋ぐんですか?』



「そうだ。あれだよ、は危なっかしいから、手を繋いでおけば安全だろ?」










ほら、こんなにも貴方は








『そうですね、それじゃぁ・・・・お願いします。』






私を幸せにしてくれる。
大好きだよ、ドラコ。
けど、この気持ちはしまっておくことにするの。
貴方の幸せを願うから。











早くいい大人になって、いい人を見つけてね。
そして幸せな笑顔を、私に見せて下さい。













好きだから、貴方の幸せを願うの。