ドラコと一緒にベッドに寝転がっている今日は休日だ。
ベッドから窓越しに見える空には、雲一つ流れていない。


私は今年で25歳。いい歳になってきた。ドラコとも付き合って10年。早いな。
いい加減身を固めたりしなきゃいけない年頃、のはず。親とか心配するし。




「ねぇドラコ、私達、これからどうする?」

「どうするって、何がだ?」

「んー、このままの関係でいるのか」

「このままの関係って?」




寝転がっていた体を起こし、未だベッドに四肢を放り出しているドラコを見ると、
眠たそうにあくびをして、目元に涙を溜まらせていた。



「だからさ、このまま付き合ってる関係でいるか、ってこと」

「・・・・・なんだ、結婚したいのか?」



私を横目で見ながら口元に手をあててクスクス笑っている。
何がそんなにおかしいのだ。こちとら真剣に考えているというのに。



「別にどっちでもいいんじゃないか?が選んでくれ」

「なっ、こういうのは男がちゃんと決めてよ」

「は?なんでいちいち男が決めなきゃいけないんだよ」

「乙女の夢なのよ、プロポーズされるの」

「あぁそう」

「あぁそうですよ」





沈黙。




ばふんっ。と、音をたててまたベッドへと寝転がる。
こんなドラコじゃ身を固めるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
今日のところはあきらめよう。


すぐに諦めてしまい、次回にとっておくことにして目を閉じた。
寝よう。




「ふわぁ・・・ふ」

「・・・・・・」

「くあ・・」



あくびが次から次へと出てくる。あ、もうすぐ眠りにつくぞ。
思考がシャットダウンする・・・その時だった。



「・・・しよう」

「・・・・んあ?」

「結婚しよう」

「・・・・え」



隣から微かに聞こてきた驚きの言葉に、思考が停止する。
吃驚して声が出ないとは、このことだろう。



「よし、今から婚姻届出しに行くぞ」

「・・・・・・・・」

「まだ・・・時間はあるな」

「・・・・・・・・」

「ほら、起きろ。行くぞ」



はっとして急いで口を動かす。



「え?な、なに?ちょ、待って、私の返事・・・え?嘘?」


口を動かしたのはいいが、何を言いたいのかさっぱりわからない。



ドラコはいつのまにかドアの前に立っており、こちらに手を差し伸べている。
ちょ、本当に、待って。



「あの、まだ頭の中が混乱しているのですが」

「結婚するんだよ、僕たちは。お前もそれでいいんだろ?」

「いや、いいんですけども、そのーもうちょっとロマンティックに・・・」

「そんなもの僕に求めるな。早く起きろ」

「は、い・・・」



まだ全然心の準備もされてないままベッドから降りて、ドラコの手を握る。
そのままぐいっと手を引かれて玄関に直行。




あれ、私の人生、これでいいの?




「あのさ、こんな簡単に決めちゃっていいの?」

「何を今更。いつもこんな感じじゃないか」

「・・・・そうだったけ」

「そうだ。付き合うの、案外簡単に決まってたぞ」

「へぇ・・・・そんなの覚えてたんだ」

「・・・・・・・」



ドラコ、照れてるのかな?怒ってるのかな?
でもまぁ確かに、いつもこんな感じでいろいろ決めてきたんだよね。



「・・・・・ねぇドラコ・・・これって、幸せ?」

「そうなんじゃないのか、早く歩け」

「そっ、か・・・そう・・・」

「??」







にやけたこの顔は、明日まで確実に直ることはないだろう。









変わらない幸せ