「おーい、高杉ぃ」
「・・・・・なんだ銀時」
放課後、運動場やら体育館から生徒の声がよく聞こえ、
音楽室や教室からは、時折少し外れた楽器の音が鳴り響いている。
保健室には珍しく来客が来なかったため、そこら辺をぶらぶら歩き回っていた。
そしたら反対側から天パをゆるゆるゆらしながらこちらへと向かってくる人物がいた。
銀時だ。
案の定あいつは俺に声をかけてきた。
めんどくさい。あいつの話はどうせろくでもない話だ。
天パ野郎は俺が何をしていたのか聞いてきた。
なんとなく「暇してた」と正直に話せば、「だからそこら辺徘徊してたの?おじさんだなぁ」
と言われたから殴っといた。ついでに天パを数本(いや、数十本だったか)抜いといた。
「俺の天パーーー!!」
とか叫んでいるが、こっちはどうでもいい。
天パ野郎と話している時間が、そこら辺を歩き回っているよりももったいない気がして
叫んでいるそいつの横を通り抜けた。
すると服がつっぱた。後ろを振り向けば、涙を流しながら俺の白衣の袖をつかんでいるそいつがいた。
「なんだ。うっとおしいんだよお前ぇは」
「酷い!高杉先生。俺はただちょーっと頼み事があったから声をかけただけなのにぃ」
「お前の頼み事で得したことはねぇな、損はたっぷりしたが・・・」
遠回しに嫌だと拒否れば、「お願いぃい!」と足にすがりよってきた。
気持ち悪い。
げしげしと腹回りを蹴ってみるが、屈することなくずっとしがみついている。
いい加減ラチが開かねぇ。しょうがねぇから頼み事。やらの内容でも聞いてやるか。
耳を傾ければ目を光らせて、今度一緒にパフェ食いに行くねとか言い出した。
とりあえず消えて欲しいと思った。
「あのさぁ、俺のクラスの女子がね、ちょっくら足をやっちゃったらしくてさ・・」
「で、なんでその足やっちゃった女子保健室来てねぇんだよ」
「あ・・・・・わすれてた」
こいつは本当に先生か。
呆れて溜息をつけば、「ごめん。でももう病院行っちゃった」とのこと
そんなに酷かったのか。そいつの足。
「まぁそんなこともうどうでもいい。で、頼み事。は?」
「あぁそうそう。それでさ、その子の荷物、持って行ってあげてくんねぇかな」
「・・・・・は?なんで俺が・・・」
「いやぁ、それがさぁ、まだ親御さんに連絡してないし、他にやらなきゃいけないことがあって」
「・・・・・・・誰だ。そいつ」
「!!いってくれるの・・!?!?」
目をまた一段と輝かせながら歌いだすそいつ。
いい加減キレてもいいか。
「3年Z組だ」
「・・・・・・・・・行く」
「え?本当に??マジ??あの高杉先生g・・・・っくぁ!い、息がぁ・・・!!」
首を絞めていた手を離せば、すみませんすみませんと謝罪の雨。
謝り方にもなぜかむかついたがそこは理性を制御。
くるりと進行方向を変えて、他のクラスとは少し離れているZ組へと向かう。
後ろから何か聞こえてくるが無視をして足を進める。
「クソ天パ野郎が・・・・」
なんであいつを保健室に連れてこなかったんだ。
そうすればこんな面倒なことにならなかったのに。
「・・・・・・・ハァ」
まぁ、今回だけは許してやろう。
お前が俺に出くわすようにしてくれた誰かさんに免じて、な。
密かな恋心
(よう、)
(!!高杉先生?!なんで・・・銀八は!?)
((ムッ)あいつに、お前の荷物もっていけってよ。あいつ忙しいらしいわ)
(あ、そうなんですか。・・・高杉先生、ありがとうございました)
(・・・・・あぁ。そういやぁ足、どうなったって?)
(靱帯きれました)
(はっ!?靱帯!?)
高杉先生視点。
ふるるか