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『高杉さん、今度は・・・いつ頃こちらに?』 首を小さく傾げる女。 髪の毛を頭上でまとめているため、うなじが露わになっている。 白く、けれども少し赤みのかかったその露わになった肌に、胸の高鳴りを感じる。 「さぁな。・・・・けど、お前が泣きついてくる前にはまた来るさ」 『そうですか。でも残念なことに、既に泣きつきたいところです』 ふふふ、と頬を綻ばせるその女の頬へと手を伸ばして、包み込む。 女は嬉しそうにその手へと自分のを重ねた。 「はっ、またお前ぇは・・・俺にベタ惚れってやつか?」 『あたりまえじゃないですか。そうじゃなきゃこんなこと言えません』 上目遣いでそう言う女に、これは計算なのか?と少し疑ってしまう。 おそらくこの女に限って計算、なんてレベルの高いことなんかはしないと思うが。 「ほぉ、それはどうだか」 『なっ!・・・酷い』 案の定、ふてくされるこの女に、かわいいだなんて ガラにもなく思ってしまうのは、そうとうこいつにはまっている証拠だろう。 「・・・そうふてくされるな。冗談だ、冗談」 『・・・・・じゃなきゃ困ります』 「あぁ、・・・・時間だ。それじゃぁな」 『はい。・・・・・お体には気をつけくださいね』 「お前こそな。と、浮気。絶対すんなや」 『その言葉、そっくりそのままお返しします』 「・・・・行ってくる」 『いってらっしゃい』 最後に、俺の好きな笑顔で見送ってくれた。 「・・―sけ、すけ殿、晋助殿!!」 「!!」 はっとして声のしたほうへと顔を向ける。 そこには万斉が不思議そうな顔で俺の顔をのぞき込んできた。 「晋助殿、もうすぐ目的の地に着きますぞ。それにしても、珍しいでござるな」 「・・・・あ?」 「何かを考えるようにボーっとして。いや〜しかし、何故か幸せそうな顔だったでござる」 「・・・・・・・・・だろうな」 「!!今日は、素直でござるな。珍しい」 何故か嬉しそうに笑う万斉を不審に思いながら、自然とにやける俺の口元。 確かに、今日はらしくないな。 なんてったって、あの女のことを思い出す度に、 どうしようもない気持ちが次から次へとあふれ出てくる。 あぁ、この溢れ出てくる気持ちをあの女に伝えようか。 いや、やっぱりこの気持ちは俺の胸の内だけに… 思ひいづる ときはのやまの いはつつじ いはねばこそあれ こひしきものを 君のことを思い出す時は 口こそ出して言わないけど 本当は好きで好きで たまらないんだよ 今回の題名は、和歌の恋歌を使いました。 口には出さないだけで、あなたへの想いはあふれるばかり…という歌らしいです。 今回参考にさせてもらったサイトさんは Asa's Webさんです。 ありがとうございました。 |