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平日は好きだ。 何故なら学校で友達に会えるから。 なんてのは良いわけで。 本当は彼、高杉晋助に会えるから。 高杉君はなかなか学校に来ないが、週1は必ず来る。 そんなわけで平日の五日間はいつ逢えるのか楽しみでドキドキだ。 いっそのこと休日なんてなくてもいいんじゃないかと思う。 「ー、今日は来てた?高杉晋助君」 『うーん・・・・・多分、来てない』 「あらら、そりゃ残念だね」 『・・・・・そんなこと思ってないくせに』 確実に残念そうな顔をしていない友人を睨み付ける。 今はもう昼休みで、教室で昼ご飯を食べている。高杉君は今日はまだ一度も見ていない。 クラスが違うから運悪く見てないだけかと思い、靴箱を見に行ったら 案の定やはりそこにあるはずの靴は見あたらず、上履きがひっそりと佇んでいるだけだった。 『ねぇ、明日金曜日だよね。もし明日来なかったらどうしよう』 「そうだね、そしたらあれじゃない?彼は2週間に一度しか学校に来なくなったりして」 『うそ!それはいやだーー・・・・』 「そして最終的には学校に来なくなったり・・・」 『!!そんな・・・それじゃぁ私、もう学校に来ません』 どよーんと一瞬にして下がったテンション。 はそんな私を見て、さりげなくフォローをしてくれるが、 本当にそうなった時はどうするんだ…!!とまた嘆く。 「多分そんなことはないと思うよ。だって、ほら出席日数足りなかったら卒業出来ないじゃん」 『・・・・・学校やめればいいじゃん』 「うーん、まぁそうだけど。そんなんじゃ就職もまともに出来ないし」 『高杉君ち、大手企業だよ。しかも高杉君頭良いし、そのまま会社継げるよ』 「それじゃぁ余計に卒業しなきゃ。大手企業の息子が高校中退なんて言えないでしょ?」 『!!そっか!それならよかった。じゃぁきっと明日は高杉君来るよね』 ニパッ!と笑顔を取り戻すを見て、はやれやれと安堵した。 やはり親友の恋は実ってほしいらしい。 「あ!!晋助!!もぉ、今日来るの遅かったじゃん」 「ぁあ?・・・・・・今日は用があってな」 急に大声であ!!と叫ぶ声が聞こえたかと思えば、 廊下には群がる女子達と、今週ずっと待っていた人物、高杉晋助がいた。 「・・・・、来たよ」 『・・・・来たね』 あ、来た。なんて案外普通の反応をしてしまう。 少しだけ、これは現実なのかと大げさなことを考えながら彼を見る。 無表情で周りの女の子達の間を通り抜けていく。 そんな彼に、やっぱり高杉君はかっこいいななんて思う。 『あぁ、あの女の子達みたいに高杉君に話しかけたい・・・』 「・・・・話しかければいいじゃん」 『いや、そんな勇気私にあるわけないじゃないですか』 「とりあえずあの群れに入れば?」 『うん。とりあえずそこから頑張る』 二人して机に顔を乗せて目で彼を追う。 そうしていると、高杉君はちょうど見えなくなる直前のところでで足を止めた。 鬱陶しそうに周りの女の子達に声をかけている。 『・・・・・・・・・・(こっち、見ないかな)』 見ないかなー。 見ないかな−。 彼に念を送ってみよう。 こっち見ろこっち見ろこっち見ろ、、、 『こっち見ろこっち見ろこっち見ろ、、、』 「ねぇ、キモイよ」 『いいの、念を送ってるんだから。こっち見ろこっち見、ろ・・・』 「まったく。念ってのは気持ちを言葉に出さずに送ることなんですけど」 『・・・・・・・・っ!!』 「あのーさーん」 『・・・・・・・・』 「聞いてます?」 『・・・・・・・・いた・・』 「は?何?なんて言った??」 『・・・・・・なんでもない』 高杉君はまた足を動かし、一瞬にして見えなくなった。 いつもだったら見えなくなった途端に「いってしまった・・・」と 残念がるところだが、今の私は残念がることなく、逆に頬を緩ませていた。 「・・・・、どうしたの。いつもと反応違うじゃん。嘆かないの?」 『ん?・・・・フフッ、ちょっとね、いいことがあってね』 「??この短時間で?なによ、なにがあったのよ」 『えー、教えない』 「ちょっと、何この子。今まで応援してあげてたのに・・・」 『う・・・・今度言うから。だから今は聞かないで』 は?を頭に浮かばせながら、いつもと違うに渋々従うことにした。 にはまだ内緒だけど、実は私の念が高杉君に届いてたり。 こっち見ろこっち見ろと連呼してたら、突然高杉君が話していた口を止めた。 何か感づいたような表情をしている。なんだなんだ。どうしたどうした。と思っていると、 急に高杉君がこっちに顔を向けた。自然と目が合う。 『こっち見、ろ・・・・』 え、嘘。 私の後ろの人を見てる? けど私の後ろは窓で、グラウンドが待っている。 それに確実にこれは目が合っている。 ドキドキと心臓の動く音が耳に鳴り響く。 息もし辛い。背中が上下するのがわかる。 どうしよう。 目を合わせているのは恥ずかしいけど、もったいなくて逸らせない。 数秒見つめ合っていると、高杉君が一瞬口角を上げて微笑んだ気がした。 『・・・・っ!!』 気だけかもしれない。 けれども本当に一瞬微笑んだのだ。 高杉君は一瞬微笑んだ後、すぐに目を逸らしてどこかへいってしまった。 『・・・・届いた・・・』 念が、届いた。 いろんな意味で嬉しくなる。 そして私もさきほどの高杉君みたいに口角を上げて微笑む。 正確に言えば、にやける、だが。 やっぱり、平日は好きだ。 この思いも伝わればいいのに |